ゴローズ本店で実際に購入したアイテムで考察 〜上金特大フェザーその2~
- 松岡 秀樹

- 10月1日
- 読了時間: 3分
ゴローズ本店で実際に購入したアイテムで考察【彫り(裂け目)バチカン】
~第4回 上金特大フェザーその2(サンプル数:左4、右3、計7)~

TRUEMARKでは創業メンバー/準創業メンバーが昭和57年頃から原宿のゴローズ店舗で各種アイテムを購入してきました。この40年あまり、ゴローズアイテムの真贋において数々の風説が流れてきました。その中には正しいものと誤っているものとが混在していると我々は考えています。
そこで実際に本店で購入したアイテムをサンプルとしてこの風説と突き合わせる事にしました。そしてこの鑑定基準はTRUEMARKでの真贋鑑定基準として実際に採り入れられています。
old・現行初期ロット・現行品とは
ゴローズ上金など特大フェザーにはその製造時期により、
old/現行初期ロット/現行品の3つに主に分けられ、それぞれ形状が異なります。
・oldもの: 概ね2004年頃までに作られたものを言います。さらに2000年頃までに作られたものは高橋吾郎氏本人が制作した可能性が高く、ここを「高橋吾郎氏ご本人制作期」と切り分けて区分される事もあります。2000年から2004年は高橋吾郎氏監修のもとgoro’s職人さんが制作していたものと言われ、双方の期間ともハンドメイド要素が強いです。
・現行初期ロット: その後2005年から2010年代前半に作られたもので、old(ハンドメイド)要素を残しながら現行要素を徐々に採り入れてきています。この時期に制作されたもので高橋吾郎氏が直接作ったものは少ないとされています。上金特大フェザーにおける現行初期ロットと現行の違いは後述しますが広義ではこちらも一般には現行品と称されています。
・現行もの: 主に高橋吾郎氏没後の2010年後半以降に作られたものを言います。しかしながらこの期間中もバチカンや彫りなど様々な変態を遂げています。こちらも後述します。
それぞれの違い
oldもの時期に作られたフェザーは主に高橋吾郎氏によるハンドメイド要素とキャスト(鋳造)による製造の言わばハイブリッド手法、と表現でき(正確には完全ハンドメイドから徐々にキャスト要素が高まっていきました。)、その個体真贋は正直困難を極めます。真贋するとしたらアイテムのオーラや購入経緯のヒアリングが主たるポイントとなると思われます。
現行初期ロットものと現行ものの違いは特大フェザーで言うと以下になります。
・フェザーの3箇所裂け目
goro’s特大フェザーの裂け目の深さは以下の裏面写真を見ても分かる通り個体によって大きく異なります。中央の個体においてはもはや一番上の裂け目が傷程度ですね。

感覚的にはこの裂け目は年を追うごとに浅くなってきている印象です。
2013年購入品と2025年購入品で実際に比べてみます。

上:2025年goro’s店舗購入品(現行)
下:2013年頃goro’s店舗購入品(現行初期ロット)
見てわかる通り、裂け目が浅くなっています。前述のとおり、2010年代後半以降、裂け目が浅くなってきていた認識はありましたが、今年2025年に本店で購入した物を見てその浅さに驚きました。一番上の裂け目はもはや貫通さえしていません。本店の模型の多くが破損しており、細部の修復が困難な状態を疑います。
尚、手持ちのもので確認したところ、2021年頃の購入品まではこの彫りの深さは現行初期ロットに近かった(深かった)です。従い、この彫りの浅さは少なくとも2022年以降に起こり始めた現象と思われます。
・バチカン形状

左:2025年goro’s店舗購入品(現行)
右:2013年頃goro’s店舗購入品(現行初期ロット)
見て分かる通り2025年のものは穴が大きくなっています。これも手持ちのもので確認しましたが、上記裂け目と同じく2021年頃までは現行初期ロットに近い形状になっています。従いこちらも2022年以降の変態と思われます。ちなみにバチカンの太さは現行初期ロット物の方が太いです。



